korentoの日々の手仕事ノート

手仕事のたのしみを綴っていきます。日常で感じることなども大切に。

堺の和晒をつかった手ぬぐいのロール捺染職人の超絶技

関西テレビの【よ~いドン!】という番組内の【おしえて!スゴ腕ワーカー】というコーナーをボーっと観ていたら、「これは凄すぎる」と感動したので書いておこうと思います。

はじめは【全国唯一の染色技術を持つロール捺染(なっせん)職人】と紹介されており、「染色職人さんのお話かなぁ」と、なにげなく観ていたのですが、始まった途端「もしかしたら只者ではないかも」と思い、即録画スタートして観ることにしました。

 

www.ktv.jp

 

 

堺の地場産業としての和晒

今回紹介されていたのは、堺市毛穴町にある竹野染工株式会社さんです。

堺は昔から紡績産業が地場産業として盛んでしたが、中国などアジアの人件費の安い国々の勢いに押されて衰退していったイメージがあります。昔は本当に、あちらこちらの小さな町工場でカシャンカシャンという機械の音と大きな糸がクルクル回っていた記憶があるのですが、いまではずいぶんと減ってしまいました。

ですが、わたし自身、刺し子を趣味として楽しむようになり、和泉の和晒が好まれていることを知りました。いまだに泉州の和晒は、全国的にもシェアの大半を占めているとのことです。

和泉和晒は実際に使ってみると、手触りも柔らかくて、肌にもとても優しいので、質の高さを実感します。ふわっとさせる工程が、和晒の特徴なのだそうです。

 

takenosenko.jp

ロール捺染によるリバーシブル染色

角野さんという染色職人さんのロール捺染機による手ぬぐいのリバーシブル染色という超絶的な職人技に感動してしまいました。職人というと頑固なおやじさんという勝手なイメージがありますが、角野さんはとても物腰の柔らかい優しい雰囲気の方で、お話もスッと入ってきました。

本当に仕事ができる方は、人間的にも素晴らしいのかもしれないなと固定観念を覆させられました。

【猫のしっぽ カエルの手】で、ベニシアさんが西陣織りの工房を訪れた回に出てこられた西陣織り職人さんもとても笑顔の素敵な柔和な雰囲気の方でした。そのときの職人さんも若い職人さんにていねいに教えておられたけど、角野さんも同じようにご指導されているのだそうです。

 

ロール捺染(なっせん)は、ロール状の金型を回して染める100年続く染色技法だそうです。

染色したい場所に糊を混ぜた染料を金型でのせ、捺し染める技法を「捺染と呼びます。

柄や色彩を緻密に表現することに長けた技術で、「ロール捺染」とは、専用の機械を使い生地に染料を捺し染める工法のことです。

 

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今回、出てきたのはそのロール捺染で染めたリバーシブルの手ぬぐいでした。

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角野さんは70年前の機械を使って技術を進化させて、独自のリバーシブル染色を開発されたそうです。開発には3年を要したのだとか。

マニュアルなんていうものはなくて、角野さんは「ほぼほぼカン」とまさしく職人らしい言葉をおっしゃっていました。若手の職人さんは、この感覚を養っていかないといけないそうです。

 

銀シャリの橋本さんはこのリバーシブル染色の手ぬぐいを見てびっくりし過ぎてなのか、「これ異常ですよね」と思わず言っていました。

これが一枚の薄い晒に染色されているとは、ただただ凄いとしか言いようがないですね。

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これが【全国唯一の手ぬぐいの両面染色技術】であり、手ぬぐい業界をざわつかせているとのことです。どんな色でも組み合わせが可能なのだとか。

そして、いろんなアイテム商品にも応用されており、リバーシブル染色の手ぬぐいを日傘でも販売されているそうです。素敵な日傘が紹介されていて、思わず欲しくなってしまいました。

そして、手ぬぐい商品は海外のアメリカ、イギリス、台湾などの国々から注文もあるそうです。外国人観光客の方々のお土産にも人気ありそうですね。きっと喜ばれると思います。

 

ロール捺染の工程の超絶技

70年前に作られたロール捺染機という機械。もう作られていないので、修理しながら使っているそうです。よく見ていると、機械のあちこちにガムテープなどで修復した跡が映っていました。満身創痍だなと思ったけど、社長さんが「毎日掃除しています」という言葉に、とても大切に機械を扱っておられるのだなと思いました。

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ロールで生地を回しながら、ロール状の金型も回して染色していく機械なのですが、いくつも工程があるそうです。

工程のひとつに金型をはめる作業があるのですが、この金型がものすごく重たいそうで、染色職人を目指したいと女性も来ることがあるけど、あまりの重労働に断念するのだとか。

銀シャリも試しに持ってみたけど、全然上がっていませんでした。

3色染めるなら3本の金型が必要なので、考えるとものすごい重労働ですね。1本40~50㎏にもなるそうです。

 

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金型をはめたり、手で傷を探したり、型を合わせるためにハンドルを回す工程すべて、長年の経験で培ったカンがないと難しいのがよくわかります。

昨日今日やったくらいでは決してできない職人技。銀シャリが「激ムズやな」とつぶやいていましたが、そばで見ていたら、よけいに超絶技というか神技に映るのでしょう。

わたしが凄すぎると思ったのは、ロール捺染で染色する技もすでに凄いのですが、それを表裏をぴったり合わせてリバーシブルに染色するというところです。

観はじめに、これは只者の話ではなさそうだと感じたのは間違いではなかったと思いました。

若い職人さんたちにも、ぜひこの技術を受け継いでもらって欲しいなと願います。

 

まとめ

今回の【おしえて!スゴ腕ワーカー】はひとことで言うと、日本のものづくりを凝縮したような秀逸な内容になっていました。職人さんの長年のカンがものをいうものづくり。日本人の実直で忍耐強い気質と、手先の器用さがあいまって出来上がったような技術の素晴らしさを見させてもらったような気がします。

この素晴らしい技術を大切にして絶やさないよう、こちらの会社の社長さんが手ぬぐいのいろんなアイテムを開発しているというのも相乗効果でいいなと思いました。

わたし自身も刺し子ふきんを使って、手ぬぐいをつくったのですが、通気性の良さをものすごく実感しています。タオルよりも通気性が良いので、夏場は清潔さを保てるという長所に気づいた経験があります。

もしかしたら、和晒の可能性は無限大なのかもしれないと、この【おしえて!スゴ腕ワーカー】を観て感じました。

日本の職人さんの超絶技が生み出したものを、埋もれてしまうことのないように、アイデアと工夫をこらして活かしていくことの大切さも改めて実感しました。

 

 

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