korentoの日々の手仕事ノート

手仕事のたのしみを綴っていきます。日常で感じることなども大切に。

セミリタイア小説【れんげ荘】を読む

7月から9月までTBSで放送されていたドラマ【凪のお暇】が終了してしまい、完全なる凪ロス状態のわたし。ドラマ【凪のお暇】が放送されている頃から、読みかえしていた小説があります。

それは、群ようこさんの著書【れんげ荘】。

もともと群ようこさんの著書は、エッセイも小説も大好きで【無印良女】の頃から愛読していました。

この【れんげ荘】は近年の作品群のなかでも、かなりのお気に入りです。

 

セミリタイア小説

セミリタイア小説というカテゴリーがあれば、まずこの【れんげ荘】が一番にあがると思います。

主人公である45歳独身女性のキョウコさんは、有名広告代理店を早期退職し、都内の住宅街にある家賃3万円のアパートれんげ荘へ引っ越しします。

バブル期から広告代理店でバリバリと働いてきたいわゆるバリキャリ(死語)のキョウコさんは、毎日会社で好きでもない接待をしたり、女性社員たちの妬み嫉みによる悪口などを聞くことにほとほと疲れ、ある日突然貯金に励むようになります。

早期退職金と貯金でもって生活することを夢見て。

 

毒親である母からの逃走

会社をきっぱりと辞めて、安アパートへ引っ越して心機一転、新生活を送るという点が【凪のお暇】と重なるのですが、キョウコさんの母がこれまた強烈な毒親というか、なかなかややこしいところも凪ちゃんと重なるのです。

れんげ荘へ引っ越す前は実家で毒親の母と暮らしていましたが、兄家族が同居するという好機会にキョウコさんは出ていくことにします。ここぞとばかりに実家を出ていくのです。

この母がれんげ荘の場所をしらべて、突撃訪問してきたときのキョウコさんとのやりとりも強烈ですし、お正月に帰省したときに道端で母とすれちがったときに無視をされたエピソードも、どれだけ毒親が過ぎるんだと思わされます。無職の娘が恥ずかしいって、どんな感覚なんだろう。存在を消したくなったのでしょうか。

結構重めな毒親エピソードなのですが、群ようこさんの淡々とした文調のためかあっさりと読んでしまいます。

母は何も見なかったように知らんぷりをして、つんと前を見たまま通り過ぎていった。キョウコは腹が立つというよりも、その意固地な態度に笑いがこみ上げてきた。 

キョウコさん自身もあまりにも滑稽な毒親の母の姿に笑ってしまったようです。

 

生活費月10万円のシンプルライフ

念願の貯金とり崩し生活をはじめたキョウコさん、ひと月10万円と生活費を決めています。

80歳までは貯金で生活ができると試算しているようです。

とても慎ましいシンプルライフ。

会社員時代に着ていた服やカバンは処分し、必要最小限の服を着てすごし、娯楽は図書館へ通う。働かないことで経済的な将来への不安はあるけど、とても身軽でうらやましくなる生活なのです。

時間がたっぷりあることで、季節のうつろいなどにも目を向けてゆったりと過ごすキョウコさん。

日々のアパートの他の部屋の住人たちとの交流も、いろいろと次から次へと目白押しで目が離せない感じです。

このれんげ荘シリーズはこの後も続いていて、読者からの人気があるのが伺えます。それと、いかにセミリタイアに憧れている人々が多いかもわかります。

 

【凪のお暇】の凪ちゃんは最終回でお暇終了してしまいましたが、キョウコさんは貯金生活を実行中のようでホッとします。

セミリタイアに憧れている方には、ぜひおススメの小説です。

 

 

れんげ荘 (ハルキ文庫 む 2-3)

れんげ荘 (ハルキ文庫 む 2-3)