korentoの日々の手仕事ノート

手仕事のたのしみを綴っていきます。日常で感じることなども大切に。

Eテレ【すてきにハンドメイド】をみて90歳のテディベア作家さんから手仕事の大切さを学んだこと

Eテレで8月29日(木)に放送された【すてきにハンドメイド】の「笑顔いっぱい 90歳クキコママのソックスベア」を観ました。

 【すてきにハンドメイド】とは、Eテレで毎週木曜の午後9時30分~9時55分まで放送されている、ハンドメイドをわかりやすく紹介している番組です。

www4.nhk.or.jp

 

 

90歳のテディベア作家クキコママ

香川県三豊市仁尾町在住の90歳のテディベア作家 井上久喜子さん(通称クキコママ)がつくるソックスベアがとても可愛いのと、クキコママの素敵なお人柄に感銘したので、こちらに書き残しておきます。

 

香川県三豊市は、人口6000人ののどかな町。

この香川県三豊市仁尾町に、クキコママは2年前に息子さんご夫婦と京都から移住されてきたのだそうです。

番組のMCである洋輔さんがたずねたのは、不思議なたたずまいのお家。

玄関から出てこられたクキコママを見て、洋輔さんが「お肌つやつや」と思わず言っていました。本当におしゃれでお若くて、90歳にはとても見えません。声もしっかり出ていて、本当に90歳なのかしらと思うくらいです。

クキコママの息子の正憲さんは、陶芸や木工で生活に必要な物をつくる、プロダクトデザイナー。その妻の由季子さんは、グラフィックデザイナーをしながら、こども達にものづくりの楽しさを伝える活動をされているそうです。

井上家3人がそれぞれ、ものづくりに携わっているとても素敵なご家族です。

クキコママのお部屋をたずねると、ものすごい数のテディベアが洋輔さんをお出迎えしてくれます。

 

テディベアをつくり続けて四半世紀

クキコママがテディベアをつくり始めたきっかけは、66歳のとき大阪にテディベアづくりを教えにこられていた作家さんのところに習いに行ったことだそうです。

「好奇心もあって。こんなの作ったのって(家族に)見せたのがきっかけ。あまりにうれしくて」とおっしゃいます。

そこからテディベアをつくり続け、70歳のときにはじめて個展をされたのだそうです。体調を崩したクキコママを励ますために、息子さんご夫婦が個展を企画し、友人や知人がなんと300人も集まったのだとか。

その後、個展を次々と開催し、去年2018年には香川県三豊市仁尾町で90歳展を開催したのだそうです。

 

ソックスベア

そんなクキコママに教えていただくのが「ソックスベア」。

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ソックス片方で、テディベアの帽子・洋服・パンツを作って着せているから「ソックスベア」なのだそうです。

なぜソックスを使うのかというと、お嫁さんが仕事でキャラクターのいろんな片方ずつのソックスをもらってきて、捨てるのがもったいので何かに活かせないかと考えて「ソックスベア」を考案したのだそう。捨てるものを上手に生かす「生かし直しの名人」とご家族から呼ばれているクキコママ。

 

「ソックスベア」の作り方はテキストをごらんください。

 

NHKすてきにハンドメイド 2019年 09 月号 [雑誌]

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クキコママと一緒に「ソックスベア」をつくる洋輔さん。

持参したソックスでオリジナルの衣装をつくると言っていました。

「完成しましたね」と洋輔さんが言うと、まだ完成していないとクキコママ。

「よくできたね」とテディベアに話しかけてキスして完成なのだそうです。

洋輔さんのテディベアは長いズボンとベストで斬新な衣装になって素敵な仕上がりです。

 

仁尾町のテディベア

仁尾町のいたるところに、クキコママのテディベアがいるそうです。

毎日通っている接骨院にはテディベアがたくさん飾ってあります。でも実はクキコママがつくったテディベアは2体だけ。あとは接骨院の方が作っているテディベアなのだそうです。治療に通って来られるときにクキコママが材料を渡してそれをつくり、教えてもらっているのだとか。

果樹園のご夫婦にはクキコママ一家が引っ越してきたときに、仁尾町を案内してくれたお礼に手作りのテディベアをプレゼントしたのだそうです。みかんを手に抱えたテディベアがとても可愛いかったです。

その他には、海産物を扱うお店にはイリコと釣竿を持ったテディベア、お酢屋さんにはお酢の瓶を持ったテディベアと、相手にちなんだテディベアをつくってプレゼントしているクキコママ。

ソックスの柄や小物を持たせることで、日ごろの感謝の気持ちを表すのだそうです。

テディベアのおかげで、いろんな人々と交流し絆が深まっていくのを感じているとお話されるクキコママの笑顔が素敵だなと感じました。

 

手仕事を通して生涯現役のクキコママ

「テディベアがなかったら、ひこもりがちな生活だったかもしれないけど」とお話されていましたが、思いのこもった手仕事を通して、いろんな人たちと関わることが、90歳でもはつらつとされている若さと元気の秘訣なのかなと感じました。

「これからもテディベアを縫い続けていきたいと思っています。100歳くらいまで誰も成し遂げないことをやってみたいと思います。そして、亡くなったときにはお棺のなかには、出来上がったベアを入れずに布地をたくさん入れていただきたいと嫁に言っているんです」と笑顔で話すクキコママ。

天国でも静かなところで、テディベアをつくりたいとおっしゃっていました。

洋輔さんが「向こうに行ってもチクチク?」とたずねると、「はい、手を動かしたいですね」と答えておられ、この「手を動かすということ」も若さと元気の秘訣なのかなと思わされました。

わたし自身も高校生の頃にテディベアづくりにハマったことがあり、クキコママのお話を聞いていて、テディベアをつくる楽しみを思い出してしまいました。刺し子や刺繍もいいけど、またテディベアづくりやってみようかなという気持ちが湧いてきました。

そして、長い人生をはつらつと心身ともに健やかに生きていくためには、日々楽しみながら手を動かすこと、その手仕事を通して人とつながることが、大切なのだなと改めて実感しました。

人生100年時代と言われていますが、クキコママの生き方から何かヒントをいただけたような気がします。