korentoの日々の手仕事ノート

手仕事のたのしみを綴っていきます。日常で感じることなども大切に。

Eテレ【ソーイング・ビー】の第3回はスラックス対決

10月からEテレではじまったソーイング・コンテスト番組【ソーイング・ビー】、第3回はスラックス対決。

イギリス一番のソーイング名人を決めるコンテスト。8人の老若男女が課題にそってソーイングの腕前を競います。

第3回は、男性用スラックスを4時間でつくり、たった1時間で既製品のスカートにポケットをつけるというリメイクするという対決です。

男性用のスラックス対決

前回勝ち残った6人が、ソーイング・ルームに戻ってきました。

今回は男性用のスラックスをつくる対決。制限時間は4時間。

これまでと同様に、型紙通りにつくる力を審査されます。型紙通りであれば、どんな生地を使ってもいいルールです。

審査員のパトリックが、スラックスはプロでも、ほどいて縫い直すことがあるので、しっかりした厚さのある生地が適していると言います。もう一人の審査員のメイは、ズレることのないような、安定して扱いやすい生地がいいと話します。

今回使う型紙は、ウエストベルト付きで、裾に向かって細くなっており、前あきにファスナーが付いているデザインです。前あきとは、前身頃に作ったファスナーなどで開く部分のこと。

今回の課題のポイントは、スラックスの前あきのファスナーをつけるところです。男性用スラックスなので、前あきを左上にすることを間違えないようにしなければいけません。基本的に女性用は右上で、男性用は左上というソーイングの知識がないと間違えてしまいます。

スラックスは、4枚の生地を合わせて縫っていきます。脇の縫い目が真っ直ぐに下がっていることがポイント。それから、膝の位置まで裏地をつけておかないと生地がねじれてしまうことも念頭においておかなければなりません。

ウエストを大きくしたり、小さくしたり調節ができるウエストベルトは、通常2枚に分かれ、後ろ中心で縫われます。前あきを作ったら前身頃のダーツを縫って、ウエストベルトに合うようにします。以上が、男性用スラックスづくりのポイントです。

 

アン

赤のウールを使って、赤い男性用スラックスをつくるアン。

「最近の男性は赤だって着るでしょ?」と言います。アンは買い物に行ってもほとんど買わないそうです。アンの娘サリーが「母はよくおしゃれな店に出かけます。プロがどうやって服を作っているのか調べているんです」とアンのことについて話していました。これまで、自分のこどもの服だけでなく、友人のためにも服を作ってきたアン。

息子たちにつくったスラックスはウエストにゴムを入れていたそうです。

「大きくなったらジーンズばかり、母親が作った服なんて着なくなっちゃう」と笑いながらぼやいていました。近くにいるスチュアートに聞こえるように。

アンのウエストベルトの仕上がりは完璧でした。第1回から総じて安定してきれいに仕立てているのは、アンが断トツの印象です。さすが、ソーイング歴が最も長いだけあって、素晴らしい仕上がりだなと惚れ惚れします。

 

スチュアート

「課題がスラックスで嬉しいよ」とスチュアート。女性に比べて男性は自分のために作れる服のバリエーションが少ないと言っていました。今は自分のスラックスしか作れないけど、友人たちは良い服を着ているから、もっとソーイングの技術を向上させないと友人たちのために服は作れないと話します。人のために服を作りたい気持ちが向上させていくのですね。

スチュアートはパートナーの男性と暮らしているそうです。ソーイングをはじめてしまうと集中してしまい、食事も摂らずにソーイングに没頭してしまうのだと、パートナーが話していました。

スチュアートは、自分が作った服を一流のデザイナーが見てくれて、アドバイスまでしてくれるこんな素晴らしい機会はないと話していました。

 

ローレン

「このファスナーのつけ方ははじめて」と説明書をみながら悩んでいました。前あきの作り方が難しいと。単純に見えるけど、すごく複雑な前あきの作り方で戸惑っていました。男性用スラックスを作ること自体はじめてのようです。

ローレンの夫が「ローレンが縫い物をするときは困ったことが2つ起きます。1つはピンをあちこち落とす、もう1つは夢中になりすぎること」と話していました。

ローレンは夫婦で自宅を改造中だそうです。自宅内のカーテンやクッションなど、あらゆる物を手づくりしたそうです。ソーイングだけでなく、手仕事の名人のようです。

作業途中で、ファスナーの付け方がわからなくなり、メイに相談していました。メイに「(前あきが)男性用は左が上にくるわよ」とアドバイスされ、自分が履いているスラックスと照らし合わせて確認していました。

股ぐりを縫い合わせる段階で、片足をもう片方へ入れるやり方がわからない!と困惑していたローレン。迷いながらも試行錯誤していました。見ていると、表情豊かでとてもチャーミングな女性ですね。

 

ティリー

ストライプや大きなチェックは柄をそろえないといけないからと、シンプルな単色系のほつれにくい綾織りの生地を選んでいました。

ティリーの曽祖父はテーラーだったそうです。「わたしもそのDNAを受け継いでいるはず」と言います。

ティリーは地元のソーイング・サークルに参加しているそうです。暇さえあれば服づくりの毎日。ティリーの友人が「ティリーは仕事が終わって家に帰ったら服を作って、次の日職場に着てくるんです」と話していました。

ティリーはソーイング技術を教わったことがなく、ミシンの使い方を覚えたのも2年半前。習ったことがなくて、ソーイングのキャリアが短くても、曽祖父から受け継いだものがあると自負しているティリー、たくましい女性です。

 

サンドラ

男性用スラックスを作ったことがないので落ち着かないと話します。でもいい生地を選べたとも笑顔で話します。サンドラはストライプの生地を選んでいました。

サンドラは3人の娘たちのために服を作ってきました。家族のなかで夫の服だけ作ったことがないそう。

サンドラの娘たちは「こどもの頃の服は全部ママの手づくりだった」「ママを見ているとわたしにもできるような気がしてくるの。いつか自分のこどものために服を作ってあげたい」と話していました。サンドラがいかに愛情をこめて娘たちのために服を作ってきたのかが、よく伝わります。

途中、ローレンに向かって「スラックスってウエストベルトの後ろに縫い目があるわよね?」と尋ねます。男性参加者のスチュアートとマークのスラックスを強引に見るのですが、縫い目がなく、審査員のパトリックの上着を脱がせてスラックスの後ろの縫い目を確認していました。ローレンと「パトリックのウエストベルト」「おしり?」なんてくすくす笑っていました。

 

マーク

普段は18世紀の服を作っていて、スラックスをちゃんと作るのははじめてだと話すマーク。「それに付けていたのはボタンでファスナーじゃない。ファスナーは18世紀にはなかったから」とかなりファスナーの付け方に苦戦していました。「細かいことが多くて。型紙で突き止めなきゃ」と。

家族の衣装も作っているマーク。ソーイング・コンテストには妻のすすめで参加したそうです。マークの娘は「海賊になりたいの、それを友達は気味悪がっている。父親が海賊の服を着ているなんて普通じゃないでしょ」なんて思春期丸出しのことを話していました。

でも、奥さんはとても自慢げでした。いつか娘さんにもわかってもらえるといいなと思ってしまいました。

 

イギリスの服の歴史的背景

今使われている型紙は、200年以上も変わっていないそうです。この型紙は衣服に男性らしさを求めた人物によって生み出されたそう。

きっかけは18世紀の終わりに起きたフランス革命。震え上がったイギリスの貴族たちは派手な服装をさけるようになりました。

そのときに男性ファッションに革命を起こしたとされるのがボー・フランメル。首相秘書の息子だったボーは貴族社会に入ると鋭いウィットと独特な服装で、すぐに有名になったそうです。

18世紀は男性も女性的で派手な服装ばかりの時代。モーツアルトのようにかつらをかぶって、レースの付いた服を着ていたそうです。

それとは真逆の簡素でスマートな服を好んだボーは、イートン校時代にジョージ王子に大きな影響を与えました。すっかりボーのファッションスタイルに魅了されたジョージ王子は、信奉者となりボーのファッションスタイルを広めていったとされています。イギリス社交界で目立つ存在となったボーとその仲間たちは、ダンディーと呼ばれるようになります。

ボーの考える、それまでとはまったく違う新しい服を実際に作ったのが、ジョナサン・メイヤー。ボーとメイヤーの二人が作り上げたスタイルが現代のファッションへとつながっているそうです。

 

審査員の男性用スラックスの評価

アン

アンのスラックスは、上前がファスナーを隠してしっかり役割を果たしていること、ダーツがアイロンがけされて脇の縫い目が垂直に下りていること、そしてウエストベルトの中心線に縫い目があって、完璧な仕上がりであると評されていました。ですが、辛口審査員のパトリックが「まっすぐ下がっているが、ベルトの幅が足りないね」とここでもバッサリ斬っていました。

 

スチュアート

ファスナーが隠れていなくて、ただ付けただけの仕上がりだと、メイから辛口コメントされていました。

 

サンドラ

「アイロンが足りなかったわね」とメイ。それにあまりきれいに下がっていない、生地が柔らかいために、片方の足が膨らんでいるのは、生地がずれてしまったからと評されていました。

 

マーク

やはりマークもファスナーが隠れていないことを、メイから指摘されていました。パトリックからは、ウエストベルトも折り目もアイロンがけされていないとのダメ出し。

 

ティリー

全体的な印象としては、出来上がっているように見えるけど、しっかりしていないこと、ファスナーの下に穴が空いていることを指摘されていました。メイからは「風通しが良さそう」と言われて思わず爆笑していました。

 

ローレン

「前あきの向きが逆」とバッサリ言われ、「わたしのズボンと反対にしたのに?」と。パトリックから「君のズボンが反対なんだ」と言われて目をまん丸にしていました。

最近では、女性ものでも逆向きに前あきがついているデザインのズボンもたくさんあるそうですね。

前あきそのものは、良くできていると高評価でした。

 

1位 アン

2位 ローレン

3位 ティリー

4位 サンドラ

5位 スチュアート

6位 マーク

 

ローレンとアンは前あきを正しく作ったけど、ローレンは逆向きだったことから2位という結果になりました。

 

スカートにポケットをつけるリメイク対決

既製品のスカートにパッチポケットをつけるリメイク対決。

制限時間は1時間。ほどよい厚さのウールでできているため、ポケットを支えるのに最適な生地のスカートです。

 

ティリー

ポケットをつくるのがはじめてだから、底の処理の仕方も裏地が必要なのかもわからないと困惑していました。水玉模様のポケットを作ろうとしています。

試行錯誤した後に裏地をつけることにしていました。

 

ローレン

まずはどんなポケットにするか考えながら、型紙を作っていました。

小さすぎず大きすぎず最適なサイズのポケットを、裏地とギャザーを入れて作ることにしていました。

「等間隔にギャザーを入れないと見た目が悪くなる」と辛口コメントをパトリックに言われていました。「迷ったら花柄?」と皮肉も。ローレンが「そういうイメージ?」と返していました。

でも、とても素敵な花柄の生地で、個人的に出来上がりが楽しみです。

 

スチュアート

2本の赤いチューリップと葉っぱの斬新なポケットを作ろうとしています。

ちょっと複雑そうなので、1時間で作ることができるのか、見ているこちらがハラハラします。

 

アン

正方形のポケットを作っていますが、ひと工夫を加えます。チェックの生地を斜めに裁断しようとしています。「シンプルなものを上手に作ることにしたわ。複雑なことをして墓穴を掘るよりもね」と。もしかして、スチュアートのことを言っているのでしょうか。

 

サンドラ

選んだ生地が薄いので補強していました。クルッと折り重ねる予定だと話していました。サンドラも1時間で作ることができるのか、ハラハラしてしまいます。

 

マーク

マークだけリメイク対決のようすが映っていませんでしたが、次回の結果発表のときにどんな作品か見ることができるのかもしれません。

 

まとめ

今回は、家族や友人が、参加者のソーイングにまつわるエピソードを披露していました。どなたもソーイングをはじめてしまうと夢中になってしまうことや、家族や友人のために思いを込めてソーイングをしていることが伝わってきました。この2点は共通項と言っても過言でないくらいだと思います。

前回もアンの評価が高かったのですが、今回もやはり安定の高評価でした。ソーイング歴の長さが影響しているのもありますが、アンのソーイング技術そのものの高さが大きいと感じました。若い頃からかなりのソーイング名人だったのでしょう。

次回は、ポケットのリメイク対決の結果発表とブラウス対決の予定。

ブラウス対決は、ボタンなどの付け方などが、課題のポイントになるのかなと勝手に予想しています。

今後の対決もとても楽しみです。