korentoの日々の手仕事ノート

手仕事のたのしみを綴っていきます。日常で感じることなども大切に。

【猫のしっぽ カエルの手】ベニシアさんのイギリス里帰り

NHK番組【猫のしっぽ カエルの手】のDVD付き本【ベニシアのエッセイ集 英国里帰り編】のDVDを観ました。

【ベニシアの旅 心の庭を求めて】という、2010年夏にベニシアさんが故郷のイギリスに里帰りした際の密着スペシャル番組を、DVD化したものです。

ベニシアさんの波乱万丈のこども時代のエピソードを、知ることができる内容になっていました。

 

ケドルストンを訪ねる

イギリス貴族に生まれたベニシアさん。

ベニシアさんのお母さまが、イギリス中部のダービーシャー州 ケドルストンの貴族、カーゾン家の生まれで、この里帰りの旅の冒頭で、ケドルストンホールを訪ねています。

もう、とにかくものすごく立派なお城。

カーゾン家が眠っている教会も敷地内にあります。

おじい様は29代目で1000年にわたって代々土地を治めていた貴族だそうです。

とても敬愛していたのだけど、亡くなったときにお葬式には参列できなかったと話していました。

おじい様のおじ様のジョージ・ナサニエル・カーゾンはインド総督として、京都に訪れていたのだそう。世界を旅したのちに、京都大原へたどり着いたベニシアさんと通ずるものがありますね。

アジアの美術品の数々をコレクションした東方美術館までもが敷地内にあるという、由緒正しき貴族です。

ロイヤルファミリーが宿泊するベッドルームまでありました。

お母さまたちが若い頃に、夜ごとイギリス貴族の舞踏会を催したホールも立派です。

本当にどこか現実ばなれしたような世界が映っていました。

そして、お城の風景庭園もプロの庭師たちによって整然と整えられています。

こどもの頃、お城で働いている人たちと貴族は会話をしてはいけないと教育されていたことに対して、おかしいと思って信じなかったベニシアさん。

今のイギリス社会はわからないけど、50年くらい前は普通に階級社会が存在していたのでしょうね。

 

ジャージー島を訪ねる

こどもの頃に住んでいた、イギリス諸島の南、チャンネル諸島に連なる島 ジャージー島を訪ねます。

イギリスよりフランスに近く温暖な気候で、ジャージー牛など農業が盛んな島。ベニシアさんは、6歳の頃にジャージー島へやってきたそう。

ベニシアさんのお母さまは恋愛に奔放で、何度も結婚を繰り返していて、4番目のお父さまがジャージー島で広大な農場を経営していたのだそうです。

新しいきょうだいが一気に増えたり、次々と変わる父親とか、新しく生まれるきょうだいとか…ベニシアさん本当に壮絶なこども時代を過ごしてこられたのだなと思いました。

でも、花やハーブを自分の手で育てる経験をするようになったのは、ジャージー島に来てからなのだそうです。自分の手で庭づくりできる喜びにはじめて触れたのかな。

 

小学校時代の同級生と再会する

通っていた小学校を訪ね、同級生と再会します。他のこどもと違っていることでいじめられたときにかばってくれた友人のスーザンさん。還暦間近のはずなのに、欧米女性ってとてもオシャレだなぁという感じ。

話し方も違うし、家庭環境も複雑だし、こどもの社会で格好のターゲットになってしまっていたベニシアさん。

このスーザンさんも「different family」と言っていました。しかも、differentを繰り返すので、ベニシアさんの表情がくもっているような気がしました。

いじめられた体験も覚えているので、もう一度訪ねようとしなかったと話していました。なんか聞いているだけで、かなしくなってきます。

でも、大叔母さま(アンおばあさん)のお宅が学校の帰り道にあり、そこを良く訪ねていたのだそう。

本当は母親がお迎えに来るのが通常のようだけど、一度もベニシアさんのお母さまはお迎えに来たことがなかったという。なんかこのエピソードもつらいものがありました。

ただ、そんな状況でも優しい手を差し伸べてくれる人もいる。

アンおばあさんのエピソードが本当に素敵でした。

学校の帰り道に訪ねると歓迎してくれて、夏は庭に出て植物を見せてくれたり、冬はスコーンを一緒につくった優しいアンおばあさん。

「優雅な人は、人のために何かしないといけないという考え方だった、おかあさんの価値観とは違い、アンおばあさんの方が正しいと思った」とベニシアさんは話していました。この価値観がベニシアさんの根底に流れているのだろうなと、勝手ながらに感じます。

いろいろと辛い環境や状況にあっても、どこかで受け止めてくれる人もいるのだという救いのようなものも感じました。この救いがあるとないとで、全然違うとも思います。

実の父親が42歳という若さで亡くなったとき、心が壊れたような気持ちになったというベニシアさん。

12歳になる前にロンドンの寄宿舎のある学校へ入るために、ジャージー島を離れたそうです。

 

アイルランドの家族を訪ねる

次に訪ねたのは、母ジュリアナさんが晩年を過ごした、故郷から遠く離れたアイルランドのドロミニア。

母ジュリアナさんは、アイルランドで小さなホテルを経営していたのだそうです。

ここで、2019年7月7日に放送された【大切なひと】という回に出てきた、末の妹のルシンダさん(愛称ルル)のご自宅を訪ねています。

12歳離れた妹だけど、きょうだいたちのなかで一番気が合うのだとか。

ルシンダさんも庭づくりが好きで、ハトを飼っていて飼育小屋までありました。

自然豊かな環境で、手づくりの生活を営むベニシアさんと気が合うのもよくわかるようなルシンダさんの生活ぶり。庭のハーブを見ながら姉妹トークしているのが、とにかく楽しそうです。

コンフリーを使った堆肥づくりとか、ベニシアさんと同じことを、遠いアイルランドでもしているとは、さすがきょうだいだなと思いました。

仲良しの妹ルルさんと、母譲りのレシピのお菓子や、庭のハーブを使ったサラダを一緒につくっている場面は、観ているこちらもホッコリします。

こども時代のエピソードが、とにかく壮絶に感じたので、本当にほっとしました。

 

さいごに

イギリスへの里帰りは、お母さまの思い出をたどる旅でもあったように感じました。

母ジュリアナさんが晩年を過ごした家は、こじんまりとした簡素なもので、その家にきょうだい達が集まって、ジュリアナさんの思い出話に花を咲かせていたのが印象的です。

「(最期は)自分の人生が楽しかったと思いたい。多分お母さんは自分の人生楽しかったと思うよ」と、ジュリアナさんの墓前で笑顔で話すベニシアさん。

壮絶で波乱に満ちた人生だなと思うけど、欧米女性のたくましさと強さを感じました。

今回、図書館でたまたま見つけたのですが、視聴して本当に「良かった」と思うDVDです。

 

DVD‐BOOK ベニシアの手づくり暮らし 英国里帰り編 猫のしっぽ カエルの手

DVD‐BOOK ベニシアの手づくり暮らし 英国里帰り編 猫のしっぽ カエルの手